日本セイルトレーニングスクール

セイルトレーニングとは | 青少年教育としてのセイルトレーニング | セイルトレーニングの教育効果 | セイルトレーニングの運営母体

セイルトレーニングとは

セイルトレーニングとは帆船を使った自然体験学習の総称で、欧米では盛んに行われています。

体験者はトレーニーと呼ばれ、帆船の乗組員として操船や船の保守などの作業に加わり、目的地に向けて船を走らすために帆を広げたり畳んだり、帆の向きを変えたり、舵を取ったりとあらゆる作業を全員で力を合わせ、迅速かつ的確に行わなければなりません。

刻々と変化する自然環境の中で、そのような協働作業をすることによって、今何をするべきかを考え的確な指示を出すリーダーシップ、少ない人数で大きな船を動かすためのチームワーク、一人ひとりが為すべき事を考える自主性、チャレンジ精神、他人への思いやりなどが育まれ、人間的に大きな成長をもたらす、これがセイルトレーニングの大きな魅力です。

そして、航海中に学んだことが体験者の心に深く刻まれ、無意識のうちに日々の生活の中に反映されることも少なくありません。セイルトレーニングへの参加がきっかけで大きく人生観が変わったという人が多いことも、セイルトレーニングの大きな特徴とも言えます。

日本では、1991年から『海星』という長さ151フィート(46m)の中型帆船を活用して三崎・横浜をベースにセイルトレーニング事業が行われていました。しかし資金難から運営母体が解散となり、その存在や教育的価値が広く市民に知られないまま、2004年に帆船『海星』はアメリカの民間団体に売却され、残念ながら横浜を去ることとなってしまいました。

現在※では、大阪市の社団法人 セイル大阪が『あこがれ』という長さ171フィート(52m)の帆船を用いて一般市民を対象にセイルトレーニングを行っています。また、静岡市の鈴与株式会社はグループで保有する『ドーン・トレッダー』という107フィート(32.5m)の帆船を社員研修に活用しています。(※2009年 現在)

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青少年教育としてのセイルトレーニング

STSJ(日本セイルトレーニングスクール)には、以前横浜で行っていた練習帆船「海星」の元船長・航海士そしてボランティアクルーだったメンバーが多くいることから「セイルトレーニング」という教育方法に関して多くの議論を行ってきました。

その議論の中から、「教育の荒廃」がマスコミ等で叫ばれる中、「教育」の定義があまり明確でないことから、まず教育をいくつかに分類して考えてみることにしました。

  1. 家庭教育・・・躾(しつけ)とか善悪の判断基準を持たせるような家庭内で行う教育
  2. 学校教育・・・知識吸収・思考力向上といった学力向上を目指すとともに、集団生活による周囲との調和ある生活を身につけさせるもので学校で行う教育
  3. 社会教育・・・「こどもは地域の宝」という考え方に基づき、家庭・学校といった直接的な関係のない地域全体で、こどもの健全な育成のために行う教育

この3つに教育を分類し、「これからの日本を担う青少年」の育成のために私たち大人ができる「社会教育」について考えてみました。

「セイルトレーニング」という自然体験学習は、

  1. (基本的には)初めて一緒に船に乗り合わせた仲間同士が、チームとして一つの目的(期間内に目的地まで安全に船を到着させる)を成し遂げるために力を合わせるためボランティアクルーや同乗する市民など様々な大人との協調が求められる
  2. 大自然の中で頼れるものは、数十人の乗組員だけで一人一人がお互いを信じ合い、思いやる人間関係が自然発生的に構築される
  3. 誰かが何かをしてくれるというのではなく、自分が何ができるのかという積極的な発想が生まれてきやすいような環境が自然に整備されている。などなど、平凡な毎日を過ごしている中では決して体験できないような非日常生活が体験できるといった大きな特徴をもった教育プログラムであると言えます。

そして、そういった非日常体験による気付きを、人格形成に最も大きな影響を及ぼす青少年期(15歳〜24歳くらい)に受けた場合、その後の人生にも大きな(良い)影響を及ぼすということが欧米を中心としたセイルトレーニング実施国での調査の結果から明らかになりつつあります。

しかし、「非日常生活の体験」が学校としての公教育として実現できるのか、行政サービスとして実現できるのか、利益を追求する企業として実現できるのかというとこの教育プログラムの担い手が非常に限られてくるということも理解しています。

私たちSTSJは、海上での安全なセイルトレーニングの実施という点に関しては以前からセイルトレーニングに従事しているプロフェッショナルに託すとともに、トレーニング全体に関わる点においては教育に携わってきた方々、社会で様々な功績を遂げてこられた方など青少年が目指したい「理想の大人」といえるような方々のご協力を得ながら地域ぐるみでの青少年育成に取り組んでいきたいと考えています。

私たちSTSJは、セイルトレーニングという自然体験学習を通じて一人一人の青少年がどのように心理的変化を起こしたのかを、体験者の協力を得ながらCHEQという手法をもとにして明らかにしてゆき、またセイルトレーニングを体験した青少年を数年にわたって追跡調査をすることにより、セイルトレーニングというものが「単なる娯楽」と捉えられてしまうことなく、「教育」として不可欠なプログラムであるということを立証し、大きな社会問題の解決に向けて着実に努力を重ねていきます。

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セイルトレーニングの教育効果

セイルトレーニングを「教育」として論じる以上、その教育効果を具体的に明らかにしていく必要があると私たちは考えています。

海外に於いては、2005年から2007年にかけて、セイルトレーニングの世界的組織である STI (Sail Training International)の依頼によって、最も大規模なセイルトレーニング調査研究が、自然体験学習分野で顕著な研究成果をあげているエディンバラ大学(スコットランド)で実施されました。

この調査は、世界15カ国、300名以上のトレイニーを対象に行われており、乗船前後および乗船後半年以内の数回にかけて実施したトレイニーへのインタビュー、航海に同行した調査員による、トレイニーの様子や航海自体の観察記録をもとに分析されています。

STIの調査結果はこちら(英文)

一方、日本では教育効果の具体的調査がなされていないため、参加者の体験談・アンケート結果等がセイルトレーニングの効果を探る唯一の手段でした。
しかしこの方法では客観性に欠けるためセイルトレーニングの有用性を実証できず、また参加者が体験成果を実感しその後の社会生活に反映させていけるようなデータ採取、参加者へのフィードバックが不可能でした。

これらの状況を踏まえ、私たち STSJ はセイルトレーニング教育効果のデータ採取に用いる手段として『EQ (こころの知能指数)』に着目しました。
参加者が体験前(乗船時)に抱く心理状態と、体験後(下船時)に抱く心理状態を、EQの検査機関として数多くの実績を持つEQジャパンの開発によるコンピテンシー(行動特性)検査ツール『CHEQ』 を用いて測定し、セイルトレーニング体験前と体験後のギャップを教育効果として捉えると同時に、体験者へフィードバックすることで、その後の社会生活を送る上での自信につなげていけるのでは、と考えています。

2008年の日産セイルに於ける教育効果の調査結果はこちら

私たち STSJ は、日本国内に於いて過去にその教育効果が語られながらも、レジャーの一環として見られることの多かったセイルトレーニングを、心を育て、周囲との絆を深める社会教育の場として広く青少年に提供していけるための教育プログラムを開発するために、より効果的な調査方法を検討しています。

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セイルトレーニングの運営母体

これまでにセイルトレーニングの教育としての有用性を記してきましたが、

「船舶を保有し、特殊な条件下で非日常生活を体験する」

このようなことが、学校の公教育として実現できるのか、行政サービスとして実現できるのか、利益を追求する企業として実現できるのか、と考えると、この教育プログラムの担い手は極めて限定されてしまいます。

それは、セイルトレーニング教育の実施には、帆船と、帆船を安全に運航させる訓練されたスタッフが不可欠であり、さらに更に教育という観点から明確な教育理念と確実に成果を生み出せるプログラムを開発し続ける組織力が欠かせないからです。

私たちSTSJは、以前横浜での「海星」セイルトレーニングプログラムに運営スタッフとして海上での安全なセイルトレーニングの実施し、一定の成果を生み出すセイルトレーニングプログラムの開発を行い、スタッフを育ててきた多くのメンバーとともに活動を展開しています。

また、最も留意すべき安全性の確保 という点に関しては、先述のセイルトレーニング従事者ばかりでなく、安全運航に関する最低条件を満たせる組織作りをしています。

私たちは、近い将来に自らが運営母体となって地域ぐるみで青少年育成事業に育てていきたいと考えています。その為にはSTSJ が目指す運営母体は、従来のセイルトレーニング運営母体より教育機能的側面の充実が望まれます。

この教育機能的側面の充実という点に関しては、教育の専門の方々、教育に携わってきた方々、社会で様々な実績を遂げてこられた方々の英知を結集し、プログラムの水平展開につなげていきたいと考えています。

 そのためにも、この運営は、NPO法人として趣旨に賛同するより多くの方々の参加を以って行っていきたく考えております。何かしらの形で参加をご検討いただける方は活動参加へのお願いをご覧下さい。

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